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金メダル、クリスタルグローブ、そして数えきれないほどの勝利

HEADのテクノロジー
HEADワールドカップレベルズの戦い:金メダル、クリスタルグローブ、そして数えきれないほどの勝利!

テッド・リゲティとアクセル・ルンド・スビンダルの活躍で、HEADチームはダウンヒル、スーパーG、そしてジャイアント・スラロームのクリスタルグローブを獲得。さらに無敵のリンゼイ・ボンは3レースを欠場したにもかかわらずダウンヒルの種目別優勝に輝いた。それに加えてシュラドミング世界選手権における10個の印象的なメダル、とりわけ5個の金メダルによって、HEADは2012/13シーズンのアルペンレースでもっとも多くの成功を収めたスキーブランドとなった。

シュラドミング世界選手権の男子スーパーGでは表彰台の3席がすべてHEADをはくレーサーによって占められたが、そのひとり、3位で銅メダルを獲得したアクセル・ルンド・スビンダルは 「これは今シーズンのスーパーGで一番よくない成績だ」 と語ったのが印象的だ。彼はワールドカップのスーパーG 5レースのうち4レースで優勝し、残りの1レースでも2位となっていたからだ。レンツェルハイデの最終戦が中止となっていなかったら、この記録はさらに伸びていたことだろう。天気を司る神は、ダウンヒルの最終戦も中止に追い込み、あたかもスビンダルがワールドカップポイントの得点を伸ばし総合優勝を狙おうとするのを邪魔しているように思えた。しかし、スビンダルは彼のキャリアのなかで初めて、ダウンヒルの総合優勝を獲得。併せて世界選手権の金メダルも手に入れた。

スビンダルがスーパーGで敵なしだとすれば、ジャイアント・スラロームで同じように圧倒的な強さを見せつけたのはテッド・リゲティだ。数字がすべてを物語っている。それは8レース中6レースで優勝し、2レースで3位。
セルデンの第1戦から圧勝(2位に2.75秒差)して以来、レースの興味は誰が勝つかではなく誰が2位になるのかという点に絞られた。テッドにとって、スキーは単なるスポーツではない。それはライフスタイルであり、情熱であり、目的である。これでテッドはワールドカップのジャイアント・スラロームで通算17勝を記録したことになり、この種目の通算勝利数でインゲマル・ステンマルク、ミヒャエル・フォン・グリュニゲンに次いで歴代3位となった。スビンダルと同様に彼にとってもこれが4つ目のクリスタルグローブとなる。その日の滑りで勝負が決まる世界選手権と、シーズンを通した成績を競うクリスタルグローブのどちらが重要かを聞かれても、彼はなかなか答えを出すのはむずかしい。これは彼のライバルたちには悪い知らせだ。彼はすでに来シーズンに向けて多くのトレーニングを積み、ふたたび今年のような圧倒的な勝利をおさめるためのプランを持っている。

今回の世界選手権では、すべてのブランドなかでHEADだけが表彰台独占という記録を達成した。男子スーパーGで、ゴーティエ・デ・テジエを2位にはさみ、リゲティ優勝、スビンダル3位。ゴーティエはチームメイト、ヨハン・クラレイの負傷欠場によって代表に選ばれた補欠選手だったが、見事に銀メダルで抜擢にこたえた。さらにワールドカップでは10位以内に2度入賞。来シーズン、フランス人の彼にかかる期待はさらに大きくなることだろう。

リンゼイ・ボンは通算6回目となるダウンヒル種目別優勝。これは彼女にとって17個目のクリスタルグローブだ。しかも彼女は今季38レースのうち19レースを、世界選手権での膝の前十字靭帯と内側側副靭帯の断裂という大怪我で失ったにもかかわらず、この成績を残している。彼女のこの活躍は、けっして諦めることのないHEADワールドカップレベルズの精神を象徴しているといえる。ボンは短かかったシーズンの間に6レースで優勝した。ダウンヒル3勝、スーパーG 2勝、そしてマリボールのジャイアント・スラロームで優勝。

マリア・ホッフル・リーシュは世界選手権のスーパー・コンバインドで金メダル、そしてダウンヒルでも銅メダルを獲得した。ワールドカップでは1勝(レビのスラローム)、2位2回、そして3位が5回。ワールドカップ総合では2位、種目別のダウンヒルで3位にランキングされた。

アナ・フェニンガーは大きく飛躍した。クリスマス・ニューイヤー休暇の間に行なわれたセメリングので初優勝で一躍注目を浴び、シーズン後半にはガルミッシュ、オフターシュバンクと連続優勝。フェニンガーは世界選手権のジャイアント・スラロームでも銅メダルを獲得している。

今シーズンのもうひとりの注目すべきHEADワールドカップレベルは、スイスのウェンディ・ホルデナーだ。シーズンに入るまで、彼女のこれまでの最高成績は14位だった。彼女は、セメリングのスラロームで9位入賞、モスクワのシティ・イベントでは準決勝に進み、さらにはオフターシュバンクのスラロームではついに2位となり、19歳のスイス人少女は表彰台に立った。

ジュリア・マンキューソは世界選手権の最初の種目、スーパーGで銅メダルを獲得。これは彼女にとって5個目の世界選手権メダルだ。レンツェルハイデの最終戦では、彼女はクリスタルグローブを取る気満々だった。しかし悪天候が彼女の願いを打ち砕いてしまった。スーパーG 6レースのうち4レースで表彰台に立ち、6位より下がったことがない。これが彼女が最後までタイトル獲得を狙った理由だ。

ゲオルグ・シュトライトベルガーがHEADワールドカップレベルズに加わったのは、今シーズンからのことだ。前半はスロースタートで調子が上がらなかったが、シーズン終盤になって波に乗り、ガルミッシュではダウンヒルとスーパーGの両種目で表彰台に立った。シュトライトベルガーは30番スタートからほとんど優勝に手が届きそうだった。

マティアス・マイヤーはキッツビュールのスーパーGで2位入賞。トップレーサーの仲間入りを果たした。この成績で彼はチーム内の選考を勝ち抜き、世界選手権の出場権利を手に入れた。

アデルボーデン出身のマリアンヌ・カウフマンは、怪我のために戦列を離れることになったが、その前に行なわれたレイクルイーズでは彼女に自身まだ2回めの表彰台に立っている。ヨハン・クラレイはキッツビュールで優勝一歩手前位に迫り、チェティル・ヤンスルードはビーバークリークのダウンヒルで表彰台に上ったが、シュラドミング世界選手権のスーパーGで負傷。しかし、来シーズンはベアト・フォイツ、ボディ・ミラーとともに2013-2014のオリンピックシーズンに戻ってくるはずだ。

ダウンヒル、スーパーG、ジャイアント・スラロームではHEADレーサーが男女ともワールドカップの最優秀ブランドに輝いた。そしてスラロームではマニュエル・フェラーがジュニア世界選手権のチャンピオンを獲得。近い将来、テッド・リゲティを追ってワールドカップで活躍するだろう。

ワールドカップや世界選手権におけるHEADワールドカップレベルズの活躍の裏には、多くのサポートやハードワークが存在する。サービスマン、開発チーム、そしてもちろんレーサーたち。世界選手権の後、HEADワールドカップレベルズのレーシング・マネージャー、ライナー・ザルツゲーバーは、このすばらしいレーシング・プロダクツの創造に貢献したすべての人たちに敬意を表し、感謝の言葉を述べた。

2012/2013シーズン。HEADワールドカップレベルズは、世界選手権で全ブランド中最多の5個の金メダルを獲得し、ワールドカップでは4個のクリスタルグローブを手に入れた。

次のシーズンは、もう始まっている。