ボンとスビンダルがダウンヒルの種目別チャンピオンの座に就いた。
レンツェルハイデのHEADワールドカップレベルズにとって、この日はいろいろな感情が入り混じった日となった。ワールドカップのダウンヒル最終戦はコース後半に立ち込めた濃霧のためにキャンセルされた。この結果、種目別ランキングでトップに立っていたリンゼイ・ボンとアクセル・ルンド・スビンダルは誰にも抜かれることなくシーズンを終えることを意味した。ふたりが今シーズンの男女のダウンヒル・チャンピオンとなることが確定したのだ。
男子のレースが中止となった直後、スビンダルは 「複雑な心境だ」 と語った。「ダウンヒルの種目別優勝は嬉しいが、その一方で総合優勝争いのためには今日のレースでポイントを稼ぎたかった」 と説明し、さらに 「ダウンヒルのタイトルはこれまで手に入れたことがなかったのでとても嬉しい」 と続けた。総合の順位を上げるためにダウンヒルにエントリーしたテッド・リゲティは 「これは今まででもっとも濃い霧だった」 と語り、多くのレーサーが中止の判断は正しかったと同意している。
スビンダルにとってダウンヒルのクリスタルグローブは、今季の目標のひとつだったという。すでにスーパーGのタイトルを確定しているスビンダルだが、彼は翌日のスーパーGで総合のために大量得点を加算できるように天候の回復を望んでいる。
スビンダルが初のダウンヒルタイトルを祝う一方、リンゼイ・ボンにとってこれはダウンヒルの種目別6連覇となり、17個目のクリスタルグローブ獲得である。総合および種目別のタイトル獲得数において、ボンは歴代の女子レーサーのなかでナンバーワンとなった。2月に行なわれた世界選手権のスーパーGで負傷して以来、彼女はレースに出場していないが、それにもかかわらずの勝利は素晴らしいというほかはないだろう。ボンは最後の2レース、メリベルとガルミッシュを負傷のために欠場しているが、それにかかわらず、わずか1点差でティナ・マゼの追い上げをかわしたのは、レイク・ルイーズでの2勝とコルチナ・ダンペッツォでの1勝によるものだ。
前回同じレンツェルハイデで最終戦が行なわれたときも、悪天候で2レースが中止となっている。そのときボンはわずか3ポイント差で総合優勝のタイトルに届かなかったのだが、今回はそれとは逆の状況でタイトルを獲得したわけだ。レースの中止を知ったとき、「これも運命だと思う」と彼女は叫んだという。
男女の全成績を加算したマニファクチャー・ランキングで、HEADはダウンヒルのNo.1ブランドに輝いた。
主な成績:
Men’s Downhill
1. Aksel Lund Svindal (NOR) HEAD
2. Klaus Kroell (AUT)
3. Dominik Paris (ITA)
8. Georg Streitberger (AUT) HEAD
10= Kjetil Jansrud (NOR) HEAD
12. Johan Clarey (FRA) HEAD
25. Mathias Mayer (AUT) HEAD
Women’s Downhill
1. Lindsey Vonn (USA) HEAD
2. Tina Maze (SLO)
3. Maria Hoefl-Riesch (GER) HEAD
8. Anna Fenninger (AUT) HEAD
9. Julia Mancuso (USA) HEAD
21. Marianne Kaufman-Abderhalden (SUI) HEAD
24. Lizz Goergl (AUT) HEAD