リゲティの快進撃はとどまるところを知らず、ついにジャイアント・スラロームのクリスタルグローブ(種目別優勝)を獲得。
テッド・リゲティは、今シーズンのGS 5勝目をあげ、この種目のタイトルを奪還した。HEADワールドカップレベルのリゲティは5回の優勝以外にも3位入賞2回、さらには世界選手権でも金メダル獲得と、今シーズンのジャイアント・スラロームをほぼ完全制覇した。まだ最終戦を残しているが、最大のライバルマルセル・ヒルシャーとはすでに125点の差がつき、リゲティのGS種目別優勝が決まった。このレースでヒルシャーは2位、アレクシー・パントュローが3位に続いた。
今季の5勝を加えリゲティのワールドカップGS通算勝利数は16となり、アルベルト・トンバを抜いて歴代3位に浮上した。またGSの種目別優勝は2007/08、2009/10、2010/11シーズンに続き4回目となる。
レース後リゲティは次のように語った。「このGSコースは最高だ。ここで勝つにはすべての要素が必要で、だから今日の優勝は信じられないほど嬉しい。ここで勝てたことを誇りに思う。1レースを残してGSのタイトルを確定したことで、これまでつねに感じていた重圧から開放された。私にとってGSでは素晴らしいシーズンだったが、ヒルシャーがいつも2位でぴたりとマークして追いかけてきた。だからタイトル争いはとても厳しかった。接戦だったし、心理戦でもあった」
午後になって天候が悪化、コースコンディションも荒れてきたが、リゲティには影響がないように見えた。「タフなレースだった。雨の中のレースは好きではない」。天候に関して彼はこうも言った。「僕はパークシティ(ユタ州)で育ったからいつも華氏25°(約-4℃)の晴れた日ばかりで滑っていた。だから今日のような天候には慣れていないんだ」。
天候に左右されたレースだったが、それで大きな問題なく行なわれた裏には、約600人のボランティアによる懸命なコース整備があったことを忘れてはならない。2本目は雨の中のレースとなったが、大量の塩(雪面硬化剤)を散布して整備したことで、最後の選手が滑るまでコースは良い状態を保った。
シーズンも終盤を迎え、総合タイトル争いも激化してきた。ドローでゼッケン1番を引き当てたアクセル・ルンド・スビンダルは、1本目は最大のライバルヒルシャーを視界にとらえていた。(このレースでは彼に勝てないまでも)ポイントで離されないことが、(今のスビンダルにとって)もっとも大事なことだった。2本目は雨が激しく降っていたので、スビンダルはゴーグルについた雨粒を拭いながら滑らなければならなかった。レース前にはヒルシャーとのポイント差は29点だったが、残り5レースとなってその差は69点に広がった。
主な成績:
1. Ted Ligety (USA) HEAD
2. Marcel Hirscher (AUT)
3. Alexis Pinturault (FRA)
6. Axel Lund Svindal (NOR) HEAD
22. Marcel Mathis (AUT) HEAD
23. Gauthier de Tessieres (FRA) HEAD
24. Mathieu Faivre (FRA) HEAD