今シーズンジャイアント・スラロームで勝利をあげているアナ・フェニンガーは、これまでにしばしば 「スピードイベント(高速系種目)で優勝したい」 と言っていた。この日、彼女の夢が実現した。アナ・フェニンガーは、マリア・ホッフル・リーシュがホームコースでの優勝(彼女にとって通算25回めの勝利)を阻まれても納得できるただひとりのレーサーだった。フェニンガーは22番スタートでそれまで首位に立っていたホッフル・リーシュから勝利を奪い取った。ジュリア・マンキューソもスーパーGのタイトル獲得のために今シーズンの初勝利を望んでいた。ゴールした時点ではトップだったが、最終的には3位となった。
シーズンの終盤に実現したHEDAワールドカップレベルズのスイープ(表彰台独占)。同一ブランドによるスイープは、今シーズン全メーカーを通じて初めての記録である。ジュリア・マンキューソはこの3位入賞で、スーパーGの種目別ランキングにおけるティナ・マゼに対するビハインドを65点に縮めた。残り2レースの時点で65点差。マゼがマンキューソに対して4分の1秒のビハインドでゴールし、ふたりのポイント差は65点に縮まった。問題はふたりの間に他の選手が割り込んでくるかどうかだった。
マンキューソは高速ターンと急斜面の多いガルミッシュのコースを得意としている。斜面変化が多く複雑にねじれたガルミッシュの斜面で、マンキューソは過去に優勝したことがある。彼女はゴールした時点ではトップだったが、すぐ後にスタートしたホッフル・リーシュがすぐに首位を奪い取った。ホッフル・リーシュはホームコースであるガルミッシュで行なわれた3レースすべてで、彼女にとって記念すべきワールドカップ通算25勝目を狙っていたことを認めた。夢を実現させるためにホッフル・リーシュはフルスピードでアタックした。そしてフェニンガーがスタートゲートに立ったとき、観衆はこの勝負がナイフの刃の上にあるかのように緊迫したものであることを実感した。
フェニンガーは今シーズンのジャイアント・スラロームで優勝したとき、彼女の望みは高速系種目で優勝することだと何度も語っていた。そして、その夢がこの日現実のものとなったのだ。フェニンガーは、親友にとっての記念すべき勝利を奪い取ってしまったことを詫びたが、この勝利は彼女にとっても多くの意味を持つといえるだろう。
マンキューソはマゼとの差を詰めたが、残りは1レースのみ。彼女が種目別優勝のタイトルを持ち帰るためには、最終戦の行なわれるレンツェルハイデで彼女自身が優勝し、なおかつ他の選手たちが彼女の願い(マゼを倒すこと)をきいてくれることを望まなければならない。
主な成績:
1. Anna Fenninger (AUT) HEAD
2. Maria Hoefl-Riesch (GER) HEAD
3. Julia Mancuso (USA) HEAD
17. Lizz Goergl (AUT) HEAD