リゲティをはじめとするHEADレーサーズは、シュラドミング世界選手権で10回も表彰台に上がった。
2013 HEADワールドカップレベルズは、シュラドミングの世界選手権で驚異的なパフォーマンスを発揮した。ゴールドメダル5個、シルバーメダル1個、そしてブロンズメダル4個。そのなかには男子スーパーGにおける表彰台独占も含まれている。
世界選手権に入ってからHEAD社のCEO ヨハン・エリアッシュは、2011年のガルミッシュ・パルテンキルヘン大会と同等の活躍を望む、と語った。しかし今大会のHEADワールドカップレベルズはその期待を上回るすばらしい成果をあげることになった。
テッド・リゲティは、1968年のグルノーブル五輪(当時は冬季五輪が世界選手権を兼ねていた)におけるジャン・クロード・キリー以来の同一大会ゴールドメダル3個獲得という記録を作り、さらに前回のガルミッシュ・パルテンキルヘン大会の優勝者のなかで、ただひとりタイトル防衛に成功したレーサーとなった。
リゲティはまずスーパーGでゴールドメダルを獲得し、スーパー・コンバインドでも優勝。その素晴らしい滑りは『超人的』 『超現実的』 だったと振り返る。
またリゲティのスーパーG優勝はHEDAレーサーズのゴールドメダルラッシュの幕開けとなり、今大会唯一のメダル独占を導いた。このレースでリゲティは表彰台の最上段に立ち、ゴーティエ・デ・テジエがシルバーメダル、アクセル・ルンド・スビンダルがブロンズメダルを獲得した。
スビンダルは 「今季のスーパーGではもっとも悪い順位だが、これが最悪の順位だというのなら、上出来だろう」 と語った。
男子に負けず、女子も大活躍した。マリア・ホッフル・リーシュはスーパー・コンバインドのダウンヒルでの4位タイ。スラロームでは素晴らしい滑りを見せ、0.2秒のリードを奪って後続の選手の滑りを待った。その4人のなかにはディフェンディングチャンピオンのアナ・フェニンガーとリッツ・ゲルグルのふたりのHEADレーサーが含まれていたが、ホッフル・リーシュのタイムを上回ることができず、彼女の優勝が決まった。
大会中日の土曜日、スーパーサタデーは、HEDAワールドカップレベルのアクセル・ルンド・スビンダルの日となった。スビンダルは昨シーズンのワールドカップ最終戦でこの同じコースで優勝しているが、トレーニングランではあまり好調ではなかった。しかしダウンヒルの本番で彼はHEADにとって今大会3個目のゴールドメダルを獲得した。HEADワールドカップレベルズのレーシングマネージャー、ライナー・ザルツゲーバーは、これはこの大会にとって決定的な瞬間のひとつだと感じた。メダルを期待されていたアクセルが彼の後から滑るレーサーたちのプレッシャーに耐えなければならなかった。リードは重要だったし、勝利の味は甘かった。
スーパーGでのクラッシュによってリンゼイ・ボンがいなくなったが、その穴を埋めてホッフル・リーシュがダウンヒルのゴールドメダルをつかみとった。天候が安定せず、光線が絶えず変わったために多くのレーサーが視界を妨げられた。
ホッフル・リーシュがコースに飛び出したとき視界は明るくなり、そして彼女は限界までアタックした。区間タイムを更新し、そして銀メダルを獲得した。メダルラッシュは止まらなかった!
さらに男子スーパー・コンバインドではディフェンディングチャンピオンのスビンダルをおしのけて、リゲティがふたたびショーの主役となった。スビンダルはダウンヒルで2位につけたが、GSスキーヤーであるリゲティも彼自身が生涯最高の滑りだっというダウンヒルで6位に潜んでいた。ナイトレースで行なわれたスラロームでは、神がかった滑りでリードを奪った。奇跡は起こるか?2006年のトリノ五輪スーパー・コンバインドチャンピオンは2013年の世界選手権チャンピオンにになれるだろうか?答えはもちろんYesだ。それはリゲティにとってこの大会2度めの超人的(超現実的)瞬間だった。
大会終盤の技術系レースでは、アナ・フェニンガーがメダルを獲得する番だった。高速系とスーパー・コンバインドでの悔しい思いをした彼女にとって最後のチャンスとなったジャイアント・スラローム。彼女は激しくアタックしその報酬としてブロンズメダルを家に持ち帰った。
もっとも大きなプレッシャーがかかったのは男子ジャイアント・スラロームだ。すでにふたつのゴールドメダルを手にしていたが、リゲティにとってはもっとも欲しかったメダルだったからだ。彼はディフェンディングチャンピオンで、今季のワールドカップにおいて5レース中4レースで優勝していた。重圧のなかでもリゲティは冷静だった。1本目で2位に1秒30の差をつけてリードを奪い他の選手達を圧倒した。リゲティは、けっして守りの滑りはしない。彼はHEADワールドカップレベルズであり、つねに攻撃的なレーサーなのだ。彼は通算3個目のゴールドメダルを獲得した。オールラウンダーよりもスペシャリストの多い時代だが 「スペシャリストでありたいと思ったことはない」 というリゲティは、すさまじい努力を続けてきた。
高速系レースはHEADによって制圧された!そしてこれはヨハン・クラレイ、リンゼイ・ボン、チェティル・ヤンスルードが負傷のために世界選手権から去っていった後に起こった。これに関して、何がこの世界選手権の決定的な思い出かと聞かれたザルツゲーバーは 「すべてのメダルの背景には物語がある。これらは、われわれにとってこれまでで最高の世界選手権だ」 と彼は振り返った。
「スーパーGでの表彰台独占はとても印象的だった。もちろん、ダウンヒルとスーパー・コンバインドも素晴らしい瞬間だった」 とザルツゲーバーは続けた。
「ルールの変更以来、チームの全員がとてもよく働いてくれた。多くの選手が表彰台に立ってくれたことは、我々のスキーがいかに高性能で、我々のセットアップがいかに適切だったかを示している」 と言い切った。
シュラドミング2013にHEADワールドカップレベルズおける成功は以下のとおり。
Gold (5)
Ted Ligety: Super G, Super Combined & Giant Slalom
Maria Hoefl-Riesch: Super Combined
Aksel Lund Svindal: Downhill
Silver (1)
Gauthier de Tessieres: Super G
Bronze (4)
Anna Fenninger: Giant Slalom
Maria Hoefl-Riesch: Downhill
Julia Mancuso: Super G
Aksel Lund Svindal: Super G