体操全日本選手権、個人総合の最終日は4月8日、東京・国立代々木競技場で決勝を行い、女子個人総合で田中理恵選手(日体大研究員)が4種目合計 56・450点で初優勝し、体操人生で初めて主要タイトルを獲得した。
田中理恵選手は出番を待つ間、「今までにないぐらい緊張した。」これまで大一番で崩れてタイトルを逃してきた苦い経験もある。だが、「この緊張感に勝てたらもっと強くなれる。」そう言い聞かせて舞台に立った。
豊かな表現力と抜群の安定感で頂点への道を切り開いた。1種目目の跳馬で全体4位の14・050点をマークすると、高難度の移動技を決めた段違い平行棒は1位の14・150 点。平均台も2位の14・200点を叩き出すと、3種目終了時点でトップに浮上。2位に2・000点差を付ける圧勝で見事に初優勝を飾った。「跳馬から3種目、いい緊張感で臨めた」と振り返った。
タイトルは手に入れたが、満足感に浸るわけにはいかない。5月4、5日のNHK杯(国立代々木競技場)の得点を合算して決まる代表争い。「初優勝についてはうれしい気持ちでいっぱいですが、五輪が一番の目標、今日を通過点として、NHK杯で自分らしい演技をして、ロンドンの舞台に立ちたい」ヒロインの視線は、夢の舞台をとらえている。