マティスが3位、キュシュは華やかに引退
若干20歳のHEADワールドカップ・レベルのマルセル・マティスが12回目のワールドカップのレースで2度目の表彰台と大きな成長を見せた。レースによって波はあるが、マティスは大切な時に高い集中力で滑った。GSグローブをかけてマルセル・ヒルシャーへの逆転を狙っていたテッド・リゲティ、一方、総合も視野に入っていたヒルシャーなど見どころの多いレースだった。1本目の第2区間まではリゲティがライバルらに約1秒のリードを持ち優勢に思えた。ヒルシャーは最終的にレースに勝利すると同時にGSグローブを手に入れた。
マルセル・マティスはライジング・スターだ。彼の家族はスキーヤー一家で父親はボディ・ミラーのサービスマンという恵まれた環境にいる。『親父から多くのことを教わった。』 と彼は語り、『スキーの操作から様々な状況でどのように強い気持ちでいられるかメンタル面まで。』 と言葉を続けた。オーストリアの観衆を前にしたレースは彼にとってワクワクするものだった。これが1本目から大きくジャンプアップさせる2本目につながった。
後続のレーサーらは次々と彼を圏外へ追いやることに失敗。ようやく超人ヒルシャーが彼を捕えトップに立つと、ライヘルトがそれに割って入ってきた。マティスはバンスコでのジャイアント・スラロームと同じようなパフォーマンスを披露し、再び3位を掴んだ。
ディディエ・キュシュのキャリア最後の幕引きとなる2本目では1950年代の装いで滑った。キュシュは最も尊敬され、賞賛を受けたレーサーの一人であり、それはこの偉大な男がレーシングの第一線に別れを告げるのにぴったりの方法だった。フィールド上全ての人間がレース後に見せるトレードマークであるスキーフリップのパフォーマンスを披露する彼に敬意を払った。
テッド・リゲティが2本目に来年用のスキーを使用したことは興味深いことだった。グローブ獲得はならなかったが、リゲティは来年用の板を最後のGS 2本目という実戦での使用を選んだ。その2本目で最も早かったのは?それはテッド・リゲティだ!
今日はキュシュのお別れがハイライトではあったが、マティスがその名を未来へと刻んだ。
Result:
1. Marcel Hirscher (AUT)
2. Hannes Reichelt (AUT)
3. Marcel Mathis (AUT) HEAD
13. Kjetil Jansrud (NOR) HEAD
14. Truls Ove Karlsen (NOR) HEAD
16. Aksel Lund Svindal (NOR) HEAD
25. Ted Ligety (USA) HEAD
26. Didier Cuche (SUI) HEAD