スキー競技振興のため新しいイベントが企画されているが、FISは「人々が山に行かないのなら、山を人々のところに下ろしてこよう」という姿勢を取っている。ミュンヘン市のスキー大会ではW杯優勝者のイヴィツァ・コルテリッチとマリア・ピエティル・ホルムナーが優勝したが、HEAD選手のボディ・ミラーとリズ・ゲルグルはそれぞれ男子と女子の競技で3位決定戦を戦い3位になった。ミラーにとっては今季ベストの結果。W杯総合15位までの選手と地元ドイツ選手がワイルドカードとして参加した大会で、二人とも今季の得点記録に60ポイント上乗せした。
ミラーは今回の競技では厳しい対戦組合せとなった。第1ラウンドで技術系が得意のミハエル・ワルヒホッファーと、次に古くからの好敵手ベニ・ライヒと対戦したが、いずれも熟達のミラーが速さ、ダイナミズム、パワーを見せつけた。「毎回初っ端から仕掛けたが、ミスしなかったことが大きい」とミラーは振り返った。彼は2009年モスクワで開催されたエキシビションのパラレル回転でも3位になっている。「短いコースでは最初から飛ばすこと。テンポ良く、バランス良く、もっぱらタイミングの問題だ。」
ミラーのパワーは度肝を抜くほどで、スタートゲートのタイミングが絶妙だった。一本目では旗門をまたいでライヒに1秒近く遅れたが、別の旗門でこの差を一挙に取り戻した。準決勝ではテッド・リゲティを負かしたジュリアン・リゼルーと対戦。一本目を勝ったものの、結局は3位決定戦でドイツのフェリックス・ノイロイターと対戦した。「観客が近かったため25000人の声援が聞こえた。ほぼ全員がフェリックスを熱烈に応援して凄かったよ。」
リズ・ゲルグルはKamerやフェニンガーを破って決勝をめざし余裕綽々だったが、その後、優勝者マリア・ピエティル・ホルムナーに負けた。3位決定戦でイタリアのメリゲッティと対戦。パワーでメリゲッティを制して勝利の道に戻った。「すごくクールなイベント。楽しかったし、ハラハラしたわ」とレース後に語った。
25000人の観客が楽しんだこの競技に参加したHEAD選手は、リンゼイ・ボン、シュザンヌ・リーシュ(二人とも準々決勝で敗退)、マリア・リーシュ(第1ラウンド敗退)、男子ではディディエ・キュシュ、テッド・リゲティ、ウェルナー・へール(全員が第1ラウンド敗退)、アクセル・ルンド・スビンダル(準々決勝でリゼルーを相手に敗退)がいた。