リンゼイ・ボンはW杯滑降において、あわやクラッシュという小ミスを犯したが速度は衰えず2勝目を達成した。
ボン優勝、アニヤ・パーション2位、アンナ・フェニンガー3位、マリア・リーシュ4位の成績はまさにHEADスピード狂チームの面目躍如である。
柔らかい雪質、暖かめの気候でもボンのスピードは落ちなかったが、彼女はきれいな滑りだったとは認めていない。「今年は何かが私の中で起こっている。滑降ではどの試合も大きなミスをするのに良い成績が出る。私にとっては平常心を失わないことが大切。信念と冷静さ。ミスをしても動じないこと。」
コース全体を通しての出来で勝敗が決まるのだが、ボンは終盤でタイムを稼げると知っていた。「このコースはとても厄介。すべてのターンで100ほどの異なるライン取りがありうる。序盤から終盤までスピードを維持できるかが鍵。すごくきれいなターンをするか、タイトなラインを取るかは必ずしも問題じゃない。スピードの維持が一番大事。私はミスをしたけれどスピードを維持できた。」
アニヤ・パーションはザグレブの回転を棄権し、新しいスキーを使い始めたが、今季は調子が上向きになっていることを喜んでいる。「今日は嬉しい。優勝できたら最高だったけどリンゼイが強すぎる。光の条件が悪いなかスピードが出たのには驚いたわ。全力を出しきってフィニッシュした時は表彰台に立てると確信しました。私にとって今季の大きな転換点だし、世界選手権ももうすぐ。マテリアルに慣れるのにはあと数試合が必要かも。リンゼイやマリアに勝つには完璧さが求められる。それは私もわかっている。今回がその一歩になりました。」
アンナ・フェニンガー(オーストリア)も3位につけ、HEADの力を見せつけた。ファンクラブがコース全体でカウベルを鳴らして応援した。21才のアンナは「信じられない。地元で表彰台に上れるなんて。フィニッシュした時の歓声が本当に凄かった。」
マリア・リーシュの4位は、トレーニング滑走で苦しんだ彼女にとって、残念な結果ではなかったという。「毎回表彰台に立つことは容易ではありません。今回は0.07秒差で表彰台を逃したけれど、満足しています。トレーニング滑走ではたくさん問題がありました。昨日は一部の旗門でタイトすぎる場面もあった。旗門をはずしたあと今日はちょっとナーバスになったみたい。すべてのターンが完璧ではなかったけれど、いい試合だったし、4位という結果に満足しているわ。」