テッド・リゲティは今シーズン3戦3連勝という絶好調のスタートを切った(スウェーデンは霧のためキャンセル)。それ以降のレースは難しくなかった。ワールドカップのディフェンディング・チャンピオンであり、現世界チャンピオンを追いかけるのは容易なことではないということだ。朝早くレースのキャンセルが決定すると、リゲティはアメリカのヘッドコーチのサーシャからのメッセージで起こされ、そのことを知った。リゲティは寝直そうとしたが、ワールドカップ・チャンピオンに決まったら1つやらなければならないことがある。朝食で用意されるお祝いのトーストを食べなければならない!
ワールドカップを振り返ってみて今シーズンの評価は?『3勝全てが特別なもの。』 と彼は言った。『アルタ・バディアがたぶん最も印象深い。いつだってここのGSコースで勝ちたいと思っていたからね。クラシックの1つだし。』
彼にとっては3勝全てに意味がある。ビーバー・クリークでの友達、家族を前にしての勝利は彼にとって大きな喜びであり、ヴァルディゼールでの圧勝劇は自信を確信に変えた。
2008年にチャンピオンになり、昨シーズン再びグローブを獲得。そして今シーズンは特別で、誇りに思えるものとなった。『今年は自分のスタイルを貫けたことを誇りに思うし、また世界選手権のチャンピオンになれたことも非常に大きい。こういうプレッシャーの中で勝利できるのは気分がいい。』 と語った。
男子ジャイアント・スラロームがキャンセルとなる中、コースコンディションは回復し女子のスラロームが行われた。女子の総合争いは近年最も目の離せない展開だった。4位となったマリア・リーシュが13位に終わったリンゼイ・ボンをわずか3ポイントの再逆転で首位に返り咲いた。リーシュはダウンヒルのレースで首位の座から陥落した後、どうやって再びベストな状態に戻せたのか説明することができなかった。『自分でも分からない』とリーシュは自信の回復について言った。『ただ分かっているのは2つ、3つ悪いレースがあったからといって落ち込む理由はない。このことに気付くのが重要だ。今日、私は自信を取り戻し、また再び好転すると信じることが大切。』
天候が変化のごく小さなサインとなった。ジャイアント・スラロームがキャンセルになったことが大きなチャンスとなった。これについて2人のレーサーはどのような気持ちだったのか?リーシュにとっては良いニュースだったようだ。『勝ち負けを選ぶなら、もちろん勝ちを狙っていくわ。』と言った。『でもとにかくあまりそれを気にせずにありのままを出せればいい。もしレースが明日あったら、ベストを尽くし、勝利を願うだけ。』
ボンは『レースが中止となれば本当に残念。タイトルを守るチャンスがなくなる。GSはマリアを引き離す大きなチャンスと思っている。』 と語った。時が物語る。